【ヨガ哲学:ヨガスートラ】ヴルッティ(考えの動き)とは?心とは?

ヴルッティ(考えの動き)とは?

ヨガ哲学のスートラをわかりやすく解説します。

ここでは特に、心やヴルッティ(考えの動き)についてわかりやすく説明します。

心とはヴルッティ(考えの動き)が集まった物

心はヴルッティが集まったもので、ヴルッティとは「考えの動き」の事です。

心は考え、理解し、決断し、判断し、新しい情報を取り入れ、常に流れ、動くものです。

自分が世界を経験するためにある心は「内なる道具」と言われています。

心の4つの機能

コブラのポーズ

スートラでは心を以下の4つの機能に分類します。

  • マナス(感情、迷い、揺れ動く思い)
  • ブッディ(知性)
  • アハンカーラ(自我、自己嫌悪)
  • チッタン(記憶)

マナス(感情、迷い、揺れ動く思い)

1つ目の心の機能はマナス(感情、迷い、揺れ動く思い)です。

心は、悲しみ、怒り、喜びなど、様々な感情に動き回ります。

外の世界の情報を映し、動き回りながら、自分と世界を繋ぎます。

そのおかげで私たちは世界を豊かな感情で楽しむことが出来ます。

この働きがマナスです。

ブッディ(知性)

2つ目はブッディ(知性)です。

心は外から得た情報を知覚するだけでなく記憶と照合し、分析し、判断し、決断し、知り得た知識をはっきり理解することが出来ます。

この働きがブッディです。

アハンカーラ(自我、自己嫌悪)

3つ目はアハンカーラ(自我、自己嫌悪)です。

「私は誰か?」と聞かれた時、答える働きが俗にエゴ、自己意識などと呼ばれるアハンカーラです。

チッタン(記憶)

4つ目はチッタン(記憶)です。

私たちが経験したことは絶対、心の記憶倉庫に大切にしまわれます。

記憶をしたり、その記憶を呼び起こす機能がチッタンです。

アクリシュター と クリシュター

ヴルッティ (考えの動き) は大きく2つに分けることができます。

アクリシュター(苦悩につながらない考え)

『なるほど!』『わかった!』ってひらめきなどは苦悩にはつながらず、アクリシュターと呼ばれています。

いわゆる私たちを苦しめない考え、楽しさやワクワク、ひらめきなどです。

正しい知識、そして正しい判断を行うことができれば、苦悩に繋がらなりません。

クリシュター (苦悩をもたらす考え)

混乱、不安、恐怖、恐れなど、私たちを悩ませ苦しめるものはクリシュタ (苦悩をもたらす考え) と呼ばれています。

ヴルッティ(考えの動き)の5つの機能

瞑想

ヴルッティ(考えの動き)は以下の5つの機能に分けることができます。

  • プラマーナ(知覚・認識)
  • ヴィパルヤヤ(間違い)
  • ウィカルパ(想像・迷い)
  • ニッドラー(眠り)
  • スムルティ(記憶)

プラマーナ(知覚・認識)

一つ目はプラマーナ(知覚・認識)です。

プラマーナはありのままのことをそのまま知ることです。

たとえば、落ちているロープを見て「あ、ロープが落ちているな」と判断することです。

なお、プラマーナには主に3つの種類に分類され、以下の3つをまとめてプラマーナといいます。ます。

プラッティヤクシャ(知覚)

一つ目はプラッティヤクシャ(知覚)です。これは自分の五感で知り、認識したことをさします。例えば、丸くて赤いものを見て、「あ、リンゴだ」と言えるのは目で見て確かめた認識であるから起こることです。

アヌマーナ(推測)

2つ目はアヌマーナ(推測)です。

これは五感で確認した情報をもとに、推測してわかる知識のことです。

たとえば、山から煙が出ていたら、「煙があるのは、そこに火があるからだ」と山火事を推測できます。

これがアヌマーナです。

アーガマ(聖典や経典)

3つめはアーガマ(聖典や経典)です。

これは人の知識や推測では知ることができない範囲にある知識を教えるのが、聖典や経典に記される知識であるということです。

たとえば、行いと結果の因果関係や、死語の世界、生まれ変わり、輪廻などについては聖典によってのみ知ることができます。

ヴィパルヤヤ(間違い)

2つ目はヴィパルヤヤ(間違い)です。

これは間違った情報を認識することです。

たとえば、落ちているロープを見て「へびだ!へびがいる!」と見間違えることです。

薄暗がりで落ちているロープを見た人が、長くてうねりのあるひも状の形をみて、「あ、へびだ、へびがいる」と間違え、そこから「怖い、どうしよう。家に入れない。きっと毒蛇だ。困った、どうしよう。」と恐れ、冷や汗をかいて困り果てているとします。

でも実際へびをみて怖がっているのはその人だけです。

なぜなら実際にあるのはロープだからです。

その人だけが、ロープの上にいるはずのないへびを載せて、「へびがいる」と間違った思い込みをし、1人で勝手におびえているのです。

このように、人間は心の中だけで起こる間違った認識や嘘の情報にとらわれ、心を動かし、リアクションをすることがあります。

主観、想像でしかない幻想や妄想が、深刻な悩み、怯え、不安、苦しみを作り出してしまうのです。

これが人間の苦悩の原因です。

普段私たちが苦しんでいることもほとんどが主観的な思い込みです。

そこから自由になるには、真実を知り、物事の本質をみることしかありません。

ウィカルパ(想像・迷い)

3つめはウィカルパ(想像・迷い)です。

想像することから頭の中にいくつかの選択肢があり、事実かを迷い、疑うことです。

たとえば「家を出るとき鍵を閉めたかな?あれ、閉めなかったかも?」とわからなくなることです。

ウィカルパとは、言葉はあるけれど、実態がないものをさします。

想像、妄想が疑惑を生み、迷いと葛藤を生んでいます。

私たちを苦しめる後悔、批判、不安、心配、恐れ、怒り、悲しみ、妬み、憎しみなど、本当の自分を狭め、本質を覆う考えにすぎません。

これは心の中でわきあがり、動き変わり続けるものです。

変わらない本当の自分の上で心を染める感情や想像、そのようなものにとらわれ、深刻に悩む必要はないのです。

感情や思いは、やがて通り過ぎて消えていきます。

どんな考えの裏にも、自分自身は変わらず存在します。

これらを克服するためには、物事の正体を見破り、真実を知ることです。

そのためには、動かぬ存在である自分であり続けるために、ヨガで体と心を落ち着かせましょう。

ニッドラー(眠り)

4つ目はニッドラー(眠り)です。

これは考えに何も対象が映らず、何もわからない、思い出せないような状態のことをいいます。

たとえば「(爆睡中なので、何も思い出せない…)」などといった睡眠中に起こります。

知覚、考え、意志、表現、夢など、特別な考えが何も浮かんでない考えの状態をニッドラーといいます。

深い眠りは、記憶も含め、どんな形の考えも映っていないタマス(鈍質)という闇に覆われたヴルッティ(考え)が流れています。

朝起きたら「ああ、よく寝た」という自分がいます。

寝ている、という状態を経験した自分が、何も考えがなかったことを知っているので、目覚めたときに特別な経験がなくても「いい眠りだったな」と思えるのです。

つまり、わたし達は深く眠りことで、満ち足りた経験をたっぷり味わうことができるということです。

スムルティ(記憶)

5つ目はスムルティ(記憶)です。

過去にした経験が忘れずに残っていることをスムルティ(記憶)といいます。

これは意識的に思い出すことや、何気なく浮かび上がってきてしまう潜在意識も含めて、記憶されている考えを指します。

たとえば「昨日あった人は○○さんだ(記憶を呼び起こす)」などいった状況です。

普段、私たちが夜見る夢は、スムルティをベースにしているといいます。

過去に経験したことが、夢の形になって現れ、再体験することによって、現実には消化しきれないカルマ(行いの結果)を消化しているということです。

過去のスムルティには間違って覚えていることも多くあります。

その間違った記憶を正しく改めることを、ヨガでは心を浄化すると表現します。

おわりに

ここでは ヨガの哲学のスートラ に書かれている心やヴルッティ(考えの動き)について解説しました。

ここでの解説は、以下の本を一部引用・参考にしています。

なお、この他にもヨガ哲学のわかりやすい初心者の用の本は数冊あり、ヨガ哲学初心者のための簡単でわかりやすい本で紹介しています。

また、ヨガ・スートラに関するその他の本をヨガ・スートラが学べるおすすめの日本語・英語の本で紹介しています。

いろいろなスートラの解釈を比べてみるのも面白いと思います。

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私も都内のRYT200のスクールでヨガ哲学の授業を受けましたが、質問してもあまりよくわからないような感じでした。

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