アジャストというのは、ヨガポーズの調整や修正を行うことで、ヨガのレッスン中にインストラクターが受講者に対して行います。
声だけのこともありますが、体にさわって直してあげることもあります。
そのため「変なアジャストを行ってケガをさせてしまった」「人の体にさわりたくない」などの理由からアジャストを避けているインストラクターも多いです。
私もその一人ですが、ただ、アジャストを実際にやるかやらないか、アジャストが好きか嫌いかは別にして、ヨガのインストラクターとしてアジャストの正しい方法は知っておくべきでしょう。
そこで、ここではアジャストメントが学べるおすすめの本・DVD・YouTube動画をご紹介します。
自己紹介
ヨガを英語教育に取り入れた教授法を確立したいと思い、ヨガのインストラクターの資格(全米ヨガアライアンスRYT500)を取得し、ヨガのインストラクターになりました。(本業は大学の教員です)
ヨガのアジャストとは?ヨガのアジャスト(アジャストメント)の意味は?
ヨガの「アジャスト」「アジャストメント」という意味は、ポーズや動作の調整や修正を指す言葉です。
つまり、ヨガのアジャストとは、個々の参加者のヨガのポーズや動作を適切に修正してサポートするプロセスのことで、参加者の体の制限や柔軟性に合わせて、ポーズの正確さと効果を最大限に引き出すために行われます。
ヨガでは各ポーズや動作を正確に行うことが重要ですが、人々の体の柔軟性や制限は異なる場合があります。
そのため、ヨガのインストラクターは、個々の参加者の能力や体の状態に合わせて、ポーズや動作を適切に修正する必要があります。
これにより、参加者は正しいポーズの姿勢やアライメントを理解し、最大の利益を得ることができるのです。
アジャストは、手の位置や身体のバランス、呼吸の調整、体のアライメントの微調整など、さまざまな方法で行われますが、重要なのは、アジャストは参加者の安全と快適さを最優先にすることです。
ヨガのアジャストが嫌い理由
上述したように、ヨガのアジャストとは、個々の能力や制限に配慮しながら、参加者がポーズをより安定して実践できるようにサポートするために行うもので、とても重要なものなのですが、ヨガのアジャストを嫌う参加者やヨガのアジャストをやりたくないインストラクターも結構います。
ここではその嫌いな理由を考えてみましょう。
ヨガのアジャストが嫌いな理由(参加者の立場から)
ヨガのアジャストが嫌いな理由はさまざまですが、以下にいくつかあげてみました。
プライバシーの欲求
ヨガのアジャストは、他人によって触られたり、身体の位置が調整されることを含む場合があります。
これにより、一部の人は自分の個人的な領域やプライバシーが侵害されるように感じることがあります。
特に、男性のインストラクターの場合、女性の体にむやみやたらに触ると勘違いされたりすることもありますので、要注意ですね。
心理的な不快感
アジャストは参加者の体に対して直接的な触れ合いや圧力を伴うことがあります。
これにより、過去のトラウマや不快な経験が引き起こされ、不安やストレスを感じることがあるかもしれません。
そのため、インストラクターの方が参加者の体に触れる場合は、必ず一言許可を取ってからにしましょう。
身体的な制限や痛み
アジャストは、参加者の身体の柔軟性や制限に応じて行われますが、それでも一部の人にとっては過度の負担や痛みを引き起こすことがあります。
特に、怪我や身体的な問題を抱えている人にとっては、アジャストが不快な体験となる可能性があります。
これが一番危ないですよね。
アジャストで参加者が怪我をしてしまったら、それこそ大変です。
ヨガのアジャストが嫌いな理由(インストラクターの立場から)
ここではインストラクターがヨガのアジャストを嫌う理由です。
身体的な制約や能力
インストラクター自身が身体的な制約や能力の制限を抱えている場合、アジャストを行うことが難しい場合があります。
その気持ちすごくわかります。
私自身もあまり力がないので、力が必要とするアジャストの場合、本当に大変で、苦痛でしかありません。
個人的な快適さや哲学
アジャストは参加者の身体に対する直接的な接触を伴う場合があります。
一部のインストラクターは、プライバシーや個人的な快適さを重視し、他者の身体に触れることに抵抗を感じるかもしれません。
私もむやみやたらに、人の体を触りたくない、接触したくないので、アジャストは苦手です。
責任と法的な問題
アジャストは参加者の身体に直接的な関与を伴うため、誤ったアジャストやケガのリスクがある場合、インストラクターは責任を負う可能性があります。
このような法的な問題や責任を回避するために、インストラクターがアジャストを控えることがあります。
下手なアジャストで怪我をさせてしまったら、それこそ一大事です。
ヨガのアジャストメントのおすすめの本
上記のように、ヨガのアジャストを嫌う人は多いのですが、RYT200などのヨガ講師養成講座では必須で、しかもアジャストが難しいと感じる方が多いです。
その理由の一つとして、いいテキストがないということだと思います。
私が通っていたRYT200のアジャストの授業は、「テキストがない」「先生の写真を撮るのは禁止」で、その場で各自汚い絵を書いて、メモするしかありませんでした。
アジャストのところは、「絵もぐちゃぐちゃ」「字もぐちゃぐちゃ」でまったくわからなくなってしまいました。
そのため結局そのときのノートがまったく役に立たないものになってしまいましたので、いろいろアジャストの本を探しました。
ここではそんな経験をもとにおすすめのアジャストメント本をご紹介します。
ヨガ講師のための、触れて伝える ヨガアジャストメント
比較的最近(2019年)に出版された本で、アジャストの本といえば、こちらが一番のおすすめです。
とにかく写真たくさんで、説明もとても親切です。
以下が具体的な内容です。
Part1 ヨガ・アジャストメントの基礎
- Chapter1 ヨガ・アジャストメントの哲学と感性
- Chapter2 ハンズオンによる指導の7つの原則
- Chapter3 ヨガ・アジャストメントの基本とテクニック
Part2 ヨガ・アジャストメントの適用
- Chapter4 立位のアーサナ
- Chapter5 腹部のコアの統合
- Chapter6 アームサポートとバランス
- Chapter7 後屈
- Chapter8 座位と背骨のねじりのポーズ
- Chapter9 座位、背骨の前屈、股関節を開くポーズ
- Chapter10 逆転
アジャストは賛否両論あり、実際に行わない方もいらっしゃるとは思いますが、RYT200では必ず習うと思いますので、インストラクターとして最低限のアジャストの仕方は学んでおく必要があるでしょう。
ヨガのインストラクターの方、ヨガのインストラクターを目指す方にとってこの本は必携だと思います。
また、英語からの翻訳なので、以下の英語の原書も同時に購入すれば、英語力もアップできます。
やさしく学ぶYOGAアジャストメント -基本アーサナ21選
上記でお話したように、私が通っていたRYT200のアジャストの授業は、「テキストがない」「先生の写真を撮るのは禁止」で、その場で各自汚い絵を書いて、メモしていました。
私は絵はすごく苦手で、しかもパソコン派の人間ですので、毎日の生活の中で字を書くというはほとんどありません。
それなのにすべてノートに書きとらなければならずこれが非常に苦痛でした。
案の定、ノートはぐちゃぐちゃ。。
ノートが理解不能のものになったので、いい本はないかといろいろ探しまわり、やっと見つけたアジャストの本がこちらです。
その当時こんなにいい本があるんだと興奮したものです。
アンダーザライトから出版されているもので、日本唯一のアシュタンガヨガ上級指導者であるクランティ先生が書かれた書籍というよりも、アンダーザライトのテキストでした。
こちらはなんと英語も書かれています。
アンダーザライトのRYT200のテキストとして使われているものですので、そこにいろいろ書き込めるスペースが十分あります。
そのとき思ったことは、「こっち(アンダーザライト)のスクールにすればよかった」ということです。
実際に クランティ先生のレッスンを受けた方から聞いたのですが、ものすごく内容の濃いもので素晴らしいレッスンだったということです。
その方は、大手ヨガスタジオでオーディションの担当やインストラクター養成もなさっている方で、そのような方でも満足できる本格的なレッスンです。
ちなみにクランティ先生のレッスンは英語で行われ、通訳が入られるということです。
直接英語でコミュニケーションしている受講者の方もいたということで、英語力をアップしたい方にもおすすめです。
アンダーザライトについてはアンダーザライトのインストラクター養成RYT200がオンライン受講可に! または、以下の公式サイトを参考にしてください。
ちなみに、これはキンドル版もありますが、あえて紙版をおすすめします。
この本のように横に長い本、解剖学などの本全般に言えることですが、キンドルで見るととても見にくいです。
解剖学の本についてはヨガの解剖学が苦手な方にもおすすめの本・DVD12選!を参考にしてください。
余談ですが、何十年も前ならノートを取るというのでいいのですが、今の時代は字を書くこと自体ほとんどなくなりましたので、養成スクールを経営している方は、この点を少し考えられたほうがいいかと思います。
ヨガのアジャストメントのおすすめのDVD
ヨガのアジャストメントのおすすめのDVDをご紹介します。
YOGAアジャストメント
こちらは上記の「やさしく学ぶYOGAアジャストメント -基本アーサナ21選」を書かれたアンダーザライトのKranti(クランティ)先生が出演されているDVDです。
映像で見られるので、とてもわかりやすいです。
Hands-on Adjustments: Techniques for Adjusting Yoga Postures
こちらは英語です。
英語ができる方なら、英語学習も兼ねてこちらをおすすめします。
ヨガのアジャストのおすすめの講座・ワークショップ
ヨガのアジャストが学べる講座やワークショップもあります。
多くはRYT200を主催しているスクールで行うことが多いです。
以下のほとんどスクールで、RYT200のカリキュラムでアジャストを組み込んでおり、スクールによっては、アジャストのみのワークショップや講座を不定期で開催しています。
アンダーザライトのクランティ先生のヨガアジャストメント講座
最もおすすめなのはアンダーザライトクランティ先生のヨガアジャストメント講座です。
上述した「やさしく学ぶYOGAアジャストメント -基本アーサナ21選」はアンダーザライトから出版されているもので、クランティ先生が書かれたテキストです。
このクランティ先生に直接学べるのがアンダーザライトです。
RYT200のコースに含まれていますが、資格取得を目的とせず、単体でアジャストメントの講座を受講することが可能です。
また、下記の動画でご紹介する中村尚人先生もアンダーザライトの先生です。
日本でアジャストメントを本格的に学ぼうと思ったら、アンダーザライトがおすすめです。
詳しくは無料セミナーでいろいろ聞いてみてください。
無料セミナーに出ると、ヨガクラス招待券2枚ももらえます。
詳しくはアンダーザライトの無料セミナー、または、アンダーザライトのインストラクター養成RYT200がオンライン受講可に!をご覧ください。
OREOのRYT500
もっと本格的にアジャストを学びたい方にはアジャストメントだけ学ぶのではなく、RYT500を取得されることをおすすめします。
特に、オンラインでRYT500を取得できるOREOをおすすめします。
なぜミスアライメントになっているのか?その原因と修正法を徹底して学べます。
詳しくはRYT500をオンラインで受講可能なおすすめスクール、または以下の公式サイトをご覧ください。
ヨガのアジャストメントのおすすめのYouTube動画
上記でご紹介したワークショップや講座はそれなりの値段がしますので、ちょっと無理という方には、YouTube動画でアジャストを学ばれることをおすすめします。
今は動画でもいろいろ見れるので、便利ですね。
私がRYT200に通っていたころはなかった?と思います。
中村尚人先生の動画
アンダーザライトの中村先生のダウンドックの動画です。
音声もクリアで、とってもわかりやすいです。
中島正明先生の動画
中島 正明先生の動画です。
ちょっと説明が難しいですが、勉強になります。
Yoga With Briohny
英語でアジャストを学びたい方はこちらがおすすめです。
英語もとてもクリアで英語のリスニングの勉強にもなります。
ただ、表示される日本語訳はかなり変なので、日本語訳は参考にしないようにしましょう。
おわりに
ここではヨガのアジャストを学ぶための本・DVD・ワークショップ・講座・YouTube動画をご紹介しました。
ヨガのアジャストをもっと深く学びたいということでワークショップや講座に参加してください。
特に、RYT500を取得してアジャストを体系的にしっかりと学ばれることをおすすめします。
おすすめのスクールはRYT500をオンラインで取得できるOREOです。
なぜミスアライメントになっているのか?その原因と修正法を徹底して学べます。
詳しくはRYT500をオンラインで受講可能なおすすめスクール、または以下の公式サイトをご覧ください。
そこまで余裕がないという方は、今回ご紹介しました本・DVD・YouTube動画を最大限有効に活用してアジャストを学習してください。
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ヨガ哲学
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